犬や猫は好奇心旺盛で、何でも口に入れてしまうことがあります。それが犬や猫にとって有害なものであった場合、中毒症状を起こし、最悪の場合は死に至ることもあります。人間が食べられるものでも、愛犬愛猫にとっては毒となることもあるので、注意が必要です。
この記事では、食べ物や日用品、自然物など、愛犬愛猫にとって危険な物や症状、誤飲誤食に気付いた時の対応などを紹介します。
■目次
1.誤飲誤食しやすくて危険な物
2.誤飲誤食の症状
3.もし誤飲誤食に気付いたら
4.誤飲誤食の治療方法
5.誤飲誤食を予防するために
6.まとめ
誤飲誤食しやすくて危険な物
〈食品〉
・チョコレート
・アボカド
・ブドウ・レーズン
・骨
・タマネギ など
〈薬品〉
・人間用の処方薬や一般薬
・ペット用ではないサプリメント など
〈小物・玩具〉
・小さなボール
・ゴム製のおもちゃ
・糸
・針
・電池 など
〈化学物質〉
・洗剤
・殺虫剤
・除草剤
・保冷剤 など
〈観葉植物〉
・ユリ
・チューリップ
・アロエ
・ポトス など
誤飲誤食の症状
・嘔吐
・下痢
・よだれ
・食欲不振
・腹部の膨満感または痛み
・けいれんや失神
さらに、おもちゃや竹串など誤食したものが腸閉塞や消化管穿孔を引き起こすと、命に関わることもあるため、注意が必要です。
もし誤飲誤食に気付いたら
まず、慌てずに状況を確認し、動物病院に連絡を取りましょう。この時、誤飲誤食した物の種類、量、健康状態、発見した時間などの詳細を伝えると診断と治療に役立ちます。
なお、催吐処置は絶対に自己判断で行わないでください。催吐処置は時と場合によっては逆効果になることもあります。例えば、尖った異物などを飲み込んだ場合、再び食道を通ることで追加の損傷を引き起こす可能性があります。
誤飲誤食の治療方法
1.催吐処置
誤飲してすぐの場合、吐かせる処置を行うことがあります。これは、胃の中の異物を吐き出させて取り除く方法です。しかし、以下の場合は催吐処置が適さない可能性があります。
・誤飲してから時間が経っている場合
・尖った異物や腐食性の物質を飲み込んだ場合
・意識障害がある場合
2. 内視鏡検査・治療
催吐処置が適さない場合や、吐き出せなかった異物を取り除くために、内視鏡検査を行うことがあります。内視鏡を口から挿入し、胃や腸の中を観察しながら、異物を鉗子で掴んで取り出します。
3.手術
内視鏡で異物を取り除けない場合や、腸閉塞や消化管穿孔などの重篤な状態になっている場合は、手術が必要となります。手術内容は、異物の種類や状態、腸閉塞・消化管穿孔の程度によって異なります。
4. その他の治療
誤飲した異物によっては、解毒剤や抗生物質などの薬物療法が必要になることもあります。また、脱水症状や低血糖などの症状がある場合は、輸液や栄養サポートを行うこともあります。
誤飲誤食を予防するために
犬や猫の誤飲誤食を予防するためには、日常生活での注意が非常に重要です。
まず基本となるのは、食品や危険な物が愛犬や愛猫の手の届く場所にないように、高い棚や閉じられたキャビネットに保管することです。
次に、ゴミ箱は愛犬愛猫が容易に開けられないタイプのものを使用するか、愛犬愛猫の手の届かない場所にしまって置くことが望ましいです。
また、犬に「食べてはいけない物」を教えるトレーニングも効果的です。合わせて「離せ」などのしつけを覚えさせることで、誤って危険な物を口にした時にすぐにそれを取り除くことができるようになります。
まとめ
犬猫の誤飲誤食は、腸閉塞や消化管穿孔など重篤な病気を引き起こす可能性があります。飼い主様は、誤飲誤食しやすいものを把握し、誤飲誤食した場合の対処法を知っておくことが重要です。誤飲誤食を予防するために、日頃から愛犬や愛猫の環境を整えましょう。
もし、愛犬や愛猫が誤飲誤食をしたと思われる場合は、すぐに動物病院を受診してください。
栃木県佐野市にある犬、猫専門動物病院
させ犬猫の病院