こんにちは。獣医師の田内です。
だんだんと暖かくなって過ごしやすくなりましたね
今回はよくお水を飲むようになったり、おしっこが増えたりする病気、いわゆる多飲多尿についてのお話をします
まず初めに
健康な犬は一日で体重1kgあたり約50~60mlほどお水を飲みます。
猫の場合は一日で体重1kgあたり約25~30mlほどです。
写真のラテくんだと体重が約30kgなので一日に約1500~1800mlのお水を飲むのが正常です。
では一日にどれくらいお水を飲むと多飲になるのでしょうか。
正解は
体重1kgあたり犬で100ml、猫で50ml以上のお水を飲むと多飲となります。
次に多尿についてですが、
一般的に多尿では尿の色、臭いが薄くなり、おしっこの比重つまり尿比重が下がりお水に近い状態となります。
多くの場合
おしっこの量が増える、いわゆる多尿によって多飲が引き起こされます。
これは、何かしらの原因で体が薄い尿しか作れないため脱水を補うためにお水を飲んでしまうことになるからです。
この原因には以下のようなものが挙げられます。
糖尿病
副腎皮質機能亢進症(ステロイドの多用も含まれる)
副腎皮質機能低下症
甲状腺機能亢進症
慢性腎疾患
尿崩症
肝不全
子宮蓄膿症
高Ca血症
心因性多渇
などがあります。
多飲多尿はあくまで症状の一つであるため、血液検査や尿検査、エコー検査、レントゲンなどの詳しい検査が鑑別のために必要となってきます。
多飲多尿を普段の生活で見逃さないことが原因の早期発見となってきます。
是非一日に与えるお水の量に意識してみてください。
最後に、多飲多尿の場合にお水を制限すると、体が脱水してしまい症状が悪化してしまうので、おしっこをたくさんするからといってお水を制限しないでください。
以上、お水とおしっこについてのお話でした。