こんにちわ、獣医師の木村です。今日は腎臓病についての続きになります。
急性の場合、輸液・利尿剤・透析などを組み合わせて腎臓の回復を図ります
急性腎障害はほとんどの人に関係ないと思われるので今回書くのは慢性腎臓病についてにします。
慢性腎臓病では進行しないように食い止めることが治療になります。
では、腎臓を悪化させる要因を大まかに分けます。
それぞれがなぜ腎臓を悪化させるかは長くなるので省きます。
①脱水
②リン
③高血圧
・脱水を抑えるためには水をたくさん飲めばいいのですが、わんちゃんやねこちゃんはなかなか自ら必要量を飲みません。どうしても水分が不足気味になってしまいます。
水に味をつけるなどで飲ませる工夫やフードをウェットタイプに変えて水分摂取量を増やす方法があります。
脱水の程度が家で管理できないようになってくると輸液をします。輸液には数分で終わる皮下輸液や一日や数日入院して行う静脈輸液があります。
・腎臓に対する療法食で食事中のリンをコントロールします。それでもコントロールできない場合や腎臓食を全く食べない子にはリンの吸着剤というものを用いてリンを制限します
・高血圧に対してはACE(アンジオテンシン変換酵素)阻害剤という薬やARB(アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬)といった薬を用いることで血圧を調節します。
・腎臓が悪くなる過程で線維化というものがあります。この線維化を抑制する薬もあります。
・また当院では水素水を皮下輸液に導入しています。こちらも抗酸化作用などにより腎臓に良いとされています。
腎臓病に対するアプローチは多数ありますが、脱水をしないように管理してあげることが一番大事だと思います。