こんにちは。獣医師の田内です
今回は、基礎的な心臓の聴診についてのお話をします
よく来院される動物に聴診器を用いて聴診を行っていますが、それには次のような目的があります。
それは心拍数、心臓のリズム、心臓の音の雑音、呼吸音に異常があるかどうかを確認しています。
まず心拍数についてですが、
心拍数とは心臓が1分間に動く回数のことです。
心臓は興奮すると速く動き、落ち着くとゆっくりと動くので、一概には言えないのですが
犬の正常な心拍数は、約60~180回/分、猫では約110~180回/分です。
ただし、動物病院で緊張した動物ではそれよりも数値が高くなってしまい、
犬では 120~180回/分、猫では180~240回/分まで上がってしまいます。
聴診では、1秒間あたりに何回拍動しているかでおよその心拍数を計測しています。
次に心臓のリズムについてですが、
これは心臓の拍動が一定の間隔であるか、つまり心臓の拍動で規則的でない不整脈が出ていないかを確認しています。
最後に心臓の音の雑音についてですが、
心臓の音は、よく「ドックン、ドックン」と表現されます。
この「ドックン、ドックン」の、ドッの部分が第1音、クンの部分が第2音になり、この2つの音が1セットとなって聞こえています。
この「ドックン、ドックン」の音とは別に「ザー・ザー」という雑音が混じり、「ドザー・ドザー」といった音が聞こえていないか、キレイな心臓の音と異なっているかを聞き分けています。
以上、心臓の聴診に関するお話でした