飼い主様にとって、去勢手術は愛犬愛猫の健康管理において重要な選択の一つです。この手術により、マーキング行動や望まない妊娠、さらには特定の病気を予防する効果もあります。しかし、手術には少なからずリスクや注意しなければならない点もあるため、飼い主様は獣医師と十分に相談した上で決定を下すことが重要です。
この記事では、犬と猫の去勢手術に関して、メリットや注意点について詳しく解説します。
■目次
1.去勢手術とは
2.去勢手術のメリット
3.去勢手術の注意点
4.災害時の同行避難におけるマナーとしての去勢手術
5.まとめ
去勢手術とは
去勢手術とは、2つの精巣を摘出する手術のことを指します。
去勢手術は通常、性成熟期（生殖機能が備わること）前、多くの場合は生後6ヶ月から1歳の間に行われます。この手術は一般的には比較的安全であり、問題がなければその日のうちに帰宅することができます。
去勢手術のメリット
去勢手術は、生殖器関連の病気のリスクを減少させることができます。例えば、去勢手術を受けることで、前立腺疾患や精巣腫瘍、会陰ヘルニアなどの発生率を低下させることができます。
また犬の場合、去勢手術により発情期の問題行動（攻撃性、過度のマーキング行動（尿標識）、発情時独特の鳴き声など）が減少する可能性があります。
一方猫の場合、去勢手術を行うことで、マーキング行為や脱走といったオスに多い問題行動が減少し、オス猫特有の強い尿臭も軽減される効果が期待できます。
去勢手術の注意点
去勢手術はメリットをもたらす一方で、いくつかの注意点が存在します。
去勢された愛犬愛猫は、本来生殖器で消費するはずだったエネルギー量が減ることや、食欲を抑制する働きをもつ男性ホルモンが減少することにより、肥満になりやすい傾向があります。そのため、手術後は食事量と運動量を適切に管理し、体重管理を行う必要があります。
また、手術時には全身麻酔をかけて行うため、麻酔に関するリスクが伴います。ただし、麻酔によるリスクを最小限に抑えるために、事前の検査、手術中のモニタリング装置の使用、手術や治療に伴う痛みの緩和策、さらに患者の年齢や既往症に配慮した麻酔薬の選定を行っています。
災害時の同行避難におけるマナーとしての去勢手術
被災時に他のペットやその飼い主様とのトラブルにならないよう、マナーとして去勢手術を施しておくことをおすすめします。
過去の災害において、避難所などでペットに関してのトラブルがあったと報告があります。
例えば、避難所など同行避難先に避妊手術をしていないメスがいた場合、去勢手術をしていないと、交尾をして妊娠してしまうというトラブルに繋がってしまいます。
さらに、発情中の鳴き声などが避難所ではトラブルの原因となる場合もあるため、マナーとしての去勢手術をおすすめします。
まとめ
去勢手術には望まない妊娠を防ぐだけでなく、愛犬や愛猫の病気の予防や問題行動の改善といったメリットもあるため、手術をされる方も多くいます。
ただしデメリットもあることから、去勢手術をしようか迷われている場合には一度動物病院に相談し、愛犬や愛猫にとって飼い主様が良いと思う選択をしましょう。
去勢手術でお困りのことや不安なことがあれば、ぜひお気軽に当院までご相談ください。
栃木県佐野市にある犬、猫専門動物病院
させ犬猫の病院
