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犬の大腿骨骨折について|レントゲン・CT完備の動物病院での治療について獣医師が解説

愛犬が突然足を引きずったり、激しく痛がったり、さらには足を動かせなくなってしまった場合、飼い主様にとっては心配で胸が締め付けられる思いでしょう。

このような症状が見られる場合、大腿骨骨折の可能性が考えられます。大腿骨骨折は、早期の適切な対応が愛犬のその後の回復や、将来の生活の質を左右する鍵となることが多いため、飼い主様が正しい情報を理解し、備えておくことが大切です。

今回は、知っておきたい大腿骨骨折の原因と症状、診断や治療法について詳しく解説します。

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■目次
1.大腿骨骨折とは?その原因と症状を知る
2.正確な診断を支えるCT検査の重要性
3.治療方法
4.術後のリハビリテーションの重要性
5.手術後の経過と注意点
6.予防と日常の注意点
7.まとめ

 

大腿骨骨折とは?その原因と症状を知る


<原因>

大腿骨は後ろ足の骨の中で最も太く強い骨ですが、それでも以下のような原因で骨折してしまうことがあります。

・交通事故:車やバイクとの接触による骨折が最も一般的です。
・高所からの転落:小型犬や若い犬に多く見られます。
・激しい衝突:家具や壁などに勢いよくぶつかることで骨折する場合もあります。
・骨の脆弱性:骨粗しょう症や骨腫瘍など、骨そのものが弱っている場合は、軽い力でも骨折することがあります。

<症状>

以下のような症状が見られた場合、大腿骨骨折を疑う必要があります。

足を引きずる:後肢を地面につけられず、体重をかけようとしない。
不自然な姿勢:歩き方がぎこちなかったり、体を不自然に傾けたりする。
触れられるのを嫌がる:触られるのを極端に嫌がる。触れると震えたり、吠えたりする。
腫れや変形:骨折箇所の腫れが見られる。骨がずれているように見える。
出血:骨が皮膚を突き破り出血している。

<症状の程度>

・軽症:骨の亀裂や小さな欠損。痛みが軽度で動ける場合もありますが、放置すると悪化のリスクがあります。
・中等症:骨が部分的に折れているが、皮膚が損傷していない状態。
・重症:完全に骨が折れ、ずれが大きい、または骨が皮膚を突き破った開放骨折。

外見上軽く見える場合でも内部では深刻な損傷が進んでいることがあるため、迅速な受診が推奨されます。

 

正確な診断を支えるCT検査の重要性


愛犬が大腿骨骨折を負った際、正確な診断が治療の鍵となります。そのために、レントゲン検査CT(コンピュータ断層撮影)検査が重要な役割を果たします。

<レントゲン検査とCT検査の違い>

レントゲン検査平面的な画像で骨折の位置を把握する基本的な方法です。
しかし、骨折の細かい部分や、骨内部の状態、さらには関節や周囲の軟部組織の損傷など、詳細な情報を把握するには難しい場合があります。

一方で、CT検査は多方向から撮影した画像を3Dで再構築する技術です。これにより、骨折の正確な位置、骨の内部構造、さらには関節や軟部組織への影響を詳細に確認できます。

<CT検査がもたらすメリット>

大腿骨骨折の治療において、CT検査は診断の正確さを向上させる重要な手段です。CT検査で得られる情報は、治療方針を決定する際に大きな助けとなります。

例えば、骨折の位置や形状など、骨折部分の状態を詳細に把握することで、最適な手術方法や使用する器具(プレート、ピンなど)の選定が可能となります。また、不要な手術リスクを軽減し、愛犬がより効果的な治療を受けられる可能性を高めます。

<画像診断設備の充実がもたらすメリット>

このように、CT検査をはじめとする高度な画像診断設備が整った動物病院では、獣医師が詳細な画像情報を基に治療プランを立てることで、愛犬に適したケアを受けられます。特に、夜間対応を行っている動物病院であれば、緊急時にも迅速な診断が可能となり、飼い主様にとって大きな安心につながります。

また、こうした検査を迅速に行うことで、診断から治療開始までの流れをスムーズにし、愛犬が痛みを感じる時間を最小限に抑えることが期待できます。

CT検査は、飼い主様にとって費用面での負担が伴うこともありますが、正確な診断と治療計画がもたらす恩恵は非常に大きく、愛犬の健康を守る上で価値のある選択肢といえるでしょう。
佐野市や館林市からも多くの飼い主様にご来院いただいている当院では、レントゲンやCTを用いた詳細な診断を行っています。ぜひお気軽にご相談ください。

 

治療方法


<手術が必要な場合>

大腿骨骨折の多くは、手術による治療が必要です。骨折の度合いによっては、骨が自然に正しい位置に戻ることは難しく、放置すると以下のリスクが生じることがあります。

・足の機能が回復せず、歩行困難になる。
・継続的な痛みや炎症が残る。
・筋肉や神経に悪影響を及ぼす。

<一般的な手術法>

1.プレート法
骨を金属プレートで固定し、ねじを用いて安定させます。

2.ピン固定法
骨の中にステンレスピンを挿入し、内部から固定する方法です。比較的単純な骨折の場合に用いられることが多いです。

創外固定

手術による内部固定が難しい場合や、感染リスクが高い場合などでは、創外固定が選択されることがあります。創外固定では骨の外側に固定具を取り付けて骨を安定させるため、骨折部位を保護しながら治癒を促進します。

 

術後のリハビリテーションの重要性


手術が成功したとしても、術後のリハビリテーションが不十分であれば、愛犬の足の機能が完全に回復しない場合があります。適切なリハビリテーションを行うことで、手術の効果を最大限に引き出し、愛犬の生活の質を高めることが期待できます。

術後は定期的な通院が欠かせません。獣医師がレントゲン検査などで骨の癒合状態を確認し、必要に応じてリハビリテーションプランを調整します。また、違和感や異常が見られた場合は、すぐに動物病院を受診するようにしましょう。

 

手術後の経過と注意点


愛犬が大腿骨骨折の手術を受けた後、回復をサポートするためには、適切なケアと注意深い観察が欠かせません。術後の経過を正しく理解し、必要なケアを行うことで、愛犬の回復をスムーズに進めることができます。

<一般的な回復期間>

大腿骨骨折の回復には、通常2~3か月程度がかかるとされています。ただし、骨折の重症度や愛犬の年齢、個体差によって回復期間は異なります。若い犬は骨の成長が早く比較的短期間で回復する傾向がありますが、高齢犬では治癒に時間がかかることがあります。
また、日常のケアが適切に行われるかどうかも、回復のスピードに大きく影響します。

<ご自宅でのケアポイント>

愛犬の生活環境を整え、以下のポイントに注意することが重要です。

運動の制限
激しい運動を控え、散歩や階段の上り下りを制限してください。

休息の確保
クッション性の高いベッドを用意し、静かで落ち着ける環境で過ごせるようにしましょう。

傷口の管理
手術部位を清潔に保ち、獣医師の指示に従って適切に消毒を行います。傷口を舐めないようにするため、エリザベスカラーの使用を検討してください。

食事管理
消化に優しい食事を与え、適切な体重を維持できるように管理しましょう。

服薬の徹底
痛み止めや抗生物質などの薬は、獣医師の指示に従い、忘れずに投与してください。

 

予防と日常の注意点


大腿骨骨折は突然の事故で起こることが多いですが、日常生活での工夫により予防できる場合もあります。愛犬が安心して生活できる環境を整えることが重要です。

<事故を防ぐための具体的なアドバイス>

・室内環境を整えるため、滑りやすいフローリングには滑り止めマットを敷き、足腰への負担を軽減しましょう。

・高い段差や階段からの転落を防ぐため、ゲートを設置したり、目を離さないように気をつけましょう。

散歩時には必ずリードを装着し、危険な場所を避けて安全に歩かせるように心がけてください。

・ソファやベッドなど、高い場所への飛び乗りや飛び降りを制限し、骨折のリスクを減らしましょう。

<高齢犬や特定の犬種での注意点>

骨の密度が低下しがちな高齢犬や、骨が細い超小型犬、運動量の多い大型犬では、特に骨や関節の健康に配慮したケアが必要です。獣医師の定期的な健康チェックを受け、カルシウムやビタミンDを含む栄養バランスの取れた食事を提供することが大切です。

 

まとめ


大腿骨骨折は、早期の診断と適切な治療で回復が見込めます。飼い主様が愛犬の異変に早く気付き、速やかに動物病院を受診することで、愛犬の未来を守る第一歩となります。

術後のリハビリや日常のケアを丁寧に行うことで、愛犬の回復を促し、以前のような活発な生活を取り戻す可能性が広がります。

何か異変を感じたときや、少しでも気になる症状があれば、お気軽に当院にご相談ください。愛犬が健康で快適な生活を送れるように、丁寧にサポートさせていただきます。

 

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