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7歳から始める変形性関節症の予防|痛みを和らげるケアと治療法

年齢を重ねた愛犬が、以前ほど元気に動き回らなくなったり、散歩を嫌がるようになったりしていませんか?これらの変化は、加齢による体の変化の一つかもしれません。特に、足の痛みや関節の不調は老犬に多く見られる問題です。

変形性関節症(OA)は、高齢の犬によく見られる疾患で、関節が摩耗し痛みや炎症を引き起こす状態です。この疾患は、特に大型犬や活発な犬種で発症のリスクが高いとされています。

放置すると症状が進行し、愛犬の日常生活に大きな支障をきたす可能性があります。

今回は、愛犬が足の痛みを感じている可能性に気づくためのサインや、変形性関節症についての基礎知識、さらに予防と治療の選択肢について詳しく解説します。

当院の整形外科についてはこちらから

■目次
1.愛犬の足の痛みに気づくためのサイン
2.変形性関節症とは?
3.7歳から始める変形性関節症の予防対策
4.日常生活でできる関節ケア
5.定期健診の重要性
6.まとめ

 

愛犬の足の痛みに気づくためのサイン


犬は痛みを言葉で伝えることができないため、飼い主様が日常の行動や様子を観察して、小さな変化に気づくことが重要です。以下のような行動が見られる場合、足の痛みが原因かもしれません。

<行動の変化で見分けるポイント>

立ち上がりが遅くなる:特に朝や長時間寝ていた後、立ち上がるのを嫌がる様子が見られます。
階段を嫌がる:以前は問題なく上り下りしていた階段を避けるようになる場合があります。
散歩の距離が短くなる:散歩中に疲れやすくなり、途中で座り込むことが増える。
走るのを嫌がる:走り回るのを好まなくなり、遊びへの興味が減少する。
足を引きずる:足を完全に地面につけず、体重をかけるのを避けるような動作が見られる。

<痛みのサインを見逃さないためのチェックポイント>

・足を頻繁に舐めたり噛んだりしている。
・関節部分が腫れている、または触ると熱を持っている。
・特定の足をかばうような動きがある。
・横になったままで動きたがらない。
・食欲がない

初期の段階では軽い違和感や痛みが見られる程度ですが、適切な対処をしないと関節の変形が進行し、慢性的な痛みや炎症が発生します。

この結果、運動量が減少し筋力が低下、それによって関節への負担がさらに増すという悪循環に陥る可能性があります。

 

変形性関節症とは?


犬の関節は、骨同士が滑らかに動くように「軟骨」というクッションの役割を果たす組織で覆われています。しかし、加齢や過剰な運動などが原因で、この軟骨が徐々に摩耗し、骨同士が直接擦れ合うようになります。これにより炎症や痛みが発生し、関節の動きが制限される状態が変形性関節症(OA)です。

<変形性関節症の主な原因>

・加齢
年齢を重ねると、体内で生成されるコラーゲンやヒアルロン酸の量が減少します。この結果、軟骨の弾力性が低下し、摩耗しやすくなります。

体重増加
体重が増えることで関節にかかる負担が増加し、軟骨の摩耗が進行しやすくなります。

過剰な運動
無理な運動や高い負荷がかかる活動は、関節を傷める原因となります。

遺伝的要因
特定の犬種では、関節に負担がかかりやすい体の構造や遺伝的な関節疾患が見られます。

<リスクが高い犬種や条件>

大型犬
ラブラドール・レトリバージャーマン・シェパードなどの大型犬は体重が重いため、関節への負担が大きく、変形性関節症を発症しやすい傾向があります。

短足の犬種
ダックスフンドコーギーなど、骨格の構造上、関節に負担がかかりやすい犬種も注意が必要です。

過去に関節疾患を持った犬
成長期に関節炎や股関節形成不全を経験した犬は、後年に変形性関節症を発症するリスクが高くなります。

 

7歳から始める変形性関節症の予防対策


愛犬が7歳を迎える頃から、関節の健康を意識したケアを始めることが重要です。この時期になると、関節を支える軟骨が徐々に摩耗し、クッションの役割が低下してきます。

この変化は外見からは分かりにくく、犬が痛みを表に出さないことも多いため、知らない間に症状が進行していることがあります。

しかし、早い段階で予防策を取り入れることで、軟骨の損傷を抑え、関節の健康を長く維持することが可能です。愛犬が快適に動き回れる時間を延ばすためにも、適切なケアをスタートさせましょう。

<体重管理>

体重が増加すると関節への負担が増え、変形性関節症のリスクが高まります。愛犬の理想体重を維持するために、以下のポイントを心がけましょう。

・栄養バランスの良い食事
高品質なフードを選び、カロリーを適切に管理しましょう。必要に応じて、体重管理用フードの使用も検討してください。

・定期的な体重測定
動物病院で健康診断を受ける際に体重を測定し、理想的な体重について獣医師に相談することが大切です。

<適度な運動>

運動不足は筋力の低下や関節の硬直を招く一方、過剰な運動は関節に過度な負担を与えることがあります。愛犬の年齢や体力に合わせた適度な運動を取り入れると良いでしょう。

・散歩
愛犬の体力や年齢に応じたペースや距離で行い、無理のない範囲で楽しむことがポイントです。

・無理のない遊び
ボール遊びや引っ張り合い、ドッグランでの活動などの激しい動きは避け、関節に負担をかけない方法で楽しみましょう。

・運動後の休息
運動後には十分な休息を与えることで、関節への負担を軽減できます。

 

日常生活でできる関節ケア


変形性関節症の予防には、日常生活の中でできる環境整備やケアがとても重要です。特にシニア期に入った愛犬には、住環境を少し工夫するだけでも大きな効果があります。

以下のポイントを参考に、愛犬にとって快適で優しい環境を整えましょう。

滑りにくい床材
フローリングのような滑りやすい床は関節への負担を増やします。滑り止めマットやカーペットを敷いて、足腰の負担を軽減しましょう。

階段の使用制限
階段の上り下りは関節に大きな負担をかけます。ペット用スロープを設置するなど、負担を減らす工夫をしましょう。

マッサージ
軽い圧を加えて関節周辺をマッサージすると血行が促進され、柔軟性が保たれます。獣医師にマッサージ方法を相談して、安心して取り入れましょう。

温めるケア
寒い季節には関節が硬くなりやすいため、ペット用ヒーターや温かいブランケットで関節を温めると良いでしょう。

水中運動
水泳は関節に優しい運動方法です。筋力を維持しながら関節への負担を最小限に抑えることができるため、ペット専用のプールの利用もおすすめです。

 

定期健診の重要性


進行しやすい変形性関節症を予防するためには、定期健診が欠かせません。この病気は初期段階では症状が軽く、気づきにくいことがありますが、動物病院で健診を受けることで、症状が進行する前に適切な対策を取ることができます。

<動物病院で行う検査内容>

定期検診では、以下のような検査が行われます。

視診と触診:関節の腫れや痛み、歩き方や姿勢の異常を確認します。
血液検査:全身の炎症や感染の有無、関節に影響する要素を調べます。
レントゲン検査:関節の構造を詳しく調べ、軟骨のすり減りや骨の異常を確認します。
超音波検査:関節周辺の軟部組織や炎症の有無を詳しく評価します。

これらの検査を通じて、愛犬の健康状態に合わせた予防プランや治療計画を立てることができます。

<愛犬に合った予防プラン>

診断結果をもとに、獣医師と相談しながら以下のような予防プランを立てることが可能です。

食事管理:適切な体重を維持するためのフードや、関節の健康をサポートするサプリメントを取り入れます。
運動プログラム:関節に負担をかけすぎないよう、愛犬に合った運動量や内容を計画します。
生活環境の改善:滑りにくい床材やスロープを設置するなど、安全で快適な住環境を整えます。
内科的治療:痛みがある場合には、鎮痛薬や抗炎症薬を使用し、必要に応じて関節ケア用のサプリメントを活用します。

 

まとめ


変形性関節症は、愛犬の生活の質に大きな影響を与える疾患ですが、早期発見と適切な予防で進行を抑えることが可能です。

普段の生活では、愛犬の動きや歩き方に注意を払い、小さな変化にも気づけるようにしましょう。また、7歳を目安に体重管理や適度な運動を取り入れて、関節への負担を軽減することが大切です。
佐野市や館林市周辺で動物病院をお探しの方は、変形性関節症の診断や治療について、ぜひ当院にご相談ください。

 

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