犬や猫は、家族同然の存在で、彼らが健康で長生きしてほしいと願うのは、飼い主様として当然のことでしょう。しかし、犬や猫は自分の不調を言葉で伝えることができません。また、犬や猫は人間の約4〜7倍ものスピードで年をとります。わずか数ヶ月放置しただけで、病気が悪化することもあります。そのため、飼い主様が愛犬愛猫の健康状態に気を配り、定期的に健康診断を受けさせることが非常に重要です。健康診断には、病気の早期発見や早期治療、さらには病気の予防といった多くのメリットがあります。
そこでこの記事では、犬や猫の健康診断の重要性や、見つかる可能性のある病気などについて詳しく解説します。
■目次
1.健康診断のメリット
2.どんな検査をするか
3.どんな病気が見つかるか
4.健康診断を受けるポイント
5.まとめ
健康診断のメリット
・早期発見・早期治療
一見元気そうに見えても、体の内部で病気が進行していることもあります。健康診断による検査を通じて目に見えない異常に気づき、早期に治療することが可能です。早期発見された病気は、進行してしまった病気より完治する可能性が高くなります。
また、治療期間が短くなり、飼い主様の精神的および経済的負担も軽減されます。
・病気の予防
定期的な検査では、犬や猫が将来的に発症する可能性のある病気についての予防法やワクチン接種についてお伝えすることができます。
さらに、愛犬愛猫の体重や食欲、活動レベルなどをチェックし、必要に応じて食事や運動のアドバイスもできるため、ペットが適切な体重を維持し、健康的なライフスタイルを送ることができます。
どんな検査をするか
犬や猫の健康診断では、以下のような検査を行います。
・身体検査
視診や聴診、触診により、皮膚や目、歯の状態、体重、体温、心拍数、呼吸の状態、関節や筋肉の状態、内臓の異常などをチェックします。また、肺や心臓の音などもチェックします。
・血液検査
血液検査には、一般的な血球数検査(CBC)と生化学検査が含まれます。CBCでは、赤血球や白血球、血小板の数や種類を調べ、貧血や感染症、その他の血液関連疾患の兆候を探します。また、生化学検査では、肝臓や腎臓、膵臓などの臓器に問題がないか、代謝疾患や内分泌障害の有無を確認します。
・尿検査
尿検査では、尿の比重、pH、タンパク質の有無などを調べます。これにより、腎臓の機能や尿路系の感染症、糖尿病などの疾患を発見することができます。
・糞便検査
糞便検査では、寄生虫の有無や感染症、消化不良の兆候を探します。
・画像診断
X線検査や超音波検査(エコー検査)などの画像検査を通じて、内臓の構造や異常を確認します。X線検査では、胸部や腹部に怪しい影がないか、超音波検査では、腹部臓器や、心臓の状態を調べます。
どんな病気が見つかるか
健康診断により、肝臓病、腎臓病、心臓病、糖尿病などの慢性疾患や癌などの重大な病気を早期に発見できます。
他にも、感染症や関節炎など、若齢の犬や猫でもなりうる様々な疾患が発見できる可能性があります。
健康診断を受けるポイント
冒頭でもお伝えしたように、犬や猫は人間よりも約4〜7倍早く年をとります。そのため、健康診断を受ける頻度については、動物の健康状態にもよりますが、犬も猫も7歳を超えてからは、年2回の受診が推奨されます。
まとめ
健康診断によって、見た目では判断が難しい疾患を早期に発見し、適切な治療を行うことができます。これは、病気の進行を遅らせるだけでなく、時には命を救うことにもつながります。また、定期的に検査を受けておくことで、健康な時と将来悪化した時の数値を比較できます。そうすると、病気の早期発見に役立てられるため、飼い主様も安心できるのではないでしょうか。
栃木県佐野市にある犬、猫専門動物病院
させ犬猫の病院