こんにちは!
最近秋らしい天気の日も増えてきましたね
1年の中で秋が1番好きな私は毎日ワクワクしてます
さて、
長くなりましたデンタルセミナーのブログも今回が最後になります。
今回は年代別に注意したい口腔疾患についてお話します
まずパピーの子で注意したいのが乳歯遺残です。
通常4~6か月齢で乳歯から永久歯に生え変わるのですが、たまに生え変わらず
乳歯が残ってしまう事があります。上の犬歯が永久歯に生え変わっても乳歯が残って
いる場合、勝手に抜ける事は少ないです。
抜けない乳歯を残しておくと汚れがたまりやすくなり、そこから歯周病が進行してしまう
事も…
去勢や避妊手術をお考えの方は同時に乳歯が残っていないかチェックし、残っている
場合は一緒に抜いてしまう事をおススメします
次に成犬で注意したいのが歯周病です。
歯周病のお話は以前デンタルセミナーに行ってきました①で詳しく書いたのでそちらをご参考ください。
そして、今回もう1つ気をつけたいのが破折です。
破折は歯が折れてしまう事なのですが、歯を丈夫にするためにと硬いものを噛ませたり、
長時間もたせるために不必要に硬くしたデンタルガム、蹄、角、散歩中の石のイタズラ
などで破折を起こしやすいです
また、目に見えない歯ぐきの奥の方で歯が折れてしまう事もあり、放置すると痛みによる
苦痛や感染して膿がたまる事もあるので充分気をつけましょう
最後にシニア期の子で注意したいのが重度の歯周病、口腔腫瘍です。
歯周病は成犬同様ですね。しかし、小さい頃からのデンタルケアを行っていないと
年齢を重ねるにつれ歯周病も進行し、気づいた時には重度の歯周病になっていると
いうことも…
重度の歯周病では治療の一環で抜歯をしますが、抜歯は意外と出血量が多いです
(大きな血管には注意できますが、細かい血管には対処ができない為です)
また、歯を抜いてしまってご飯は大丈夫なの?という質問をよく受けますが、
わんちゃん猫ちゃんは肉食獣なので、歯で食べ物を細かく噛み砕いて食べません
噛み切る為に歯を使い、噛み切った後は飲み込んでいるので悪い歯は残すより
抜いてしまった方がわんちゃん猫ちゃんも楽になれます
口腔腫瘍はなかなか見つけにくいと思います。しかし、日頃からデンタルケアをしたり
お口の中を定期的に見る事ができれば異変により早く気づけますね
ここまではわんちゃんの口腔疾患についてでした。
猫ちゃんの気をつけたい口腔疾患ですが、まず。
猫ちゃんは小さなわんちゃんではありません。
わんちゃんと猫ちゃんでは多い口腔疾患も少し変わってきます。
歯周病や破折(特に犬歯)は犬と同じですが、猫ちゃんに多い疾患として
口内炎、吸収病巣があります。
口内炎、吸収病巣共にはっきりとした原因は不明です。口内炎は歯と関連しない部分に
みられたり、歯と関連しないのに抜歯すると治るものがあったりと謎が多いです
吸収病巣は歯が溶けて肉芽組織に置き換わっていく病気で、最終的に抜けるのですが
それまでに時間がかかったり痛みを伴うので抜歯などの処置が必要になります
猫ちゃんの場合、歯みがきをしていても予防できない疾患もあるので難しい所です
ここで最後に無麻酔での歯石取りについて少しだけお話します。
歯石って全身麻酔かけなきゃできないの?麻酔が必要なの?という質問もよく
受けますが結論から言うと無麻酔での歯石取りは原則禁止です。
というのも、無麻酔では動いてしまったり痛みを伴うので歯周病で1番重要な
歯周ポケットへのアプローチができなくなってしまいます
また、そのような状況で無理にやろうとすると顎の骨を折るリスクもあります…
重度の腎不全の子や歯石が岩のようになっている子で稀に無麻酔で行うことも
あるようですが、それは歯周病の根本治療ではないですし危険ですので歯石を
取る時は全身麻酔で行います
3ヶ月にわたり長い長いブログにお付き合いくださりありがとうございました笑
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いただく事もできます
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以上、看護師の渡辺でした